産褥期とは?
出産後6~8週間を産褥期(さんじょくき)といいます。子宮などが徐々に妊娠前の状態に戻っていきます。
赤ちゃんが母乳を吸う刺激により分泌されるホルモンが子宮の収縮を早めます。
母乳はいつから出るの?
おっぱいは、産後3~4日くらいから乳汁の分泌が活発になり、赤ちゃんが吸うほど乳汁分泌を促すホルモンも出てきます。
おっぱいが痛いときの対処法
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- 赤ちゃんに母乳を3時間以内に1回あたえ、1日に8回以上は飲ませてください。夜間も赤ちゃんを起こして飲ませますが、なかなか飲んでくれないようであれば搾乳します。
- 飲ませる場合は前搾りをして、乳輪まで深く加えさせましょう。
- おっぱいは痛いほうから飲ませます。フットボール抱き(脇抱き)・横抱きと変えながら授乳させてあげると効果的です。
- ぬれタオルなどで湿布し冷やしましょう。冷却剤(アイスノンなど)で急激に冷やすことは避けてください。
- おっぱいが痛むときは食事内容に気を付けましょう。甘いもの、肉類、もち米、乳製品は控え、和食中心の食事をおすすめします。
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上記の対処法で改善が見られない場合は、診察を受けましょう。
ポイント
ミルクをあげている場合や、離乳食をあげ出した時期でも、乳房が痛いうちはミルクや離乳食を控えめにして、母乳をメインにしてください。
産褥期に起こりやすいトラブルや病気は?
乳腺炎
乳腺が何らかの原因によって炎症を起こす病気です。乳房が腫れて痛みが生じます。授乳がスムーズにできず母乳がたまって起こる「停滞性乳腺炎」、授乳時にできた乳首の傷から細菌が侵入して起こる「急性化膿性乳腺炎」の2種類があります。
「停滞性乳腺炎」は、乳房のしこりや痛みなどの症状はありますが、悪寒や発熱などからだ全体の症状はないため、授乳を続け適切な対処をすれば改善します。

対処法
- 症状が治まるまでは、高カロリーの食事や糖分・油分は控えた食事を心がける。
- 乳房を温めたり、自分でマッサージしたりするのはやめる。入浴も控え、シャワー浴にする。シャワーのあてすぎに注意する。
- 授乳時間を空けず、赤ちゃんにしっかり授乳させる。搾乳のしすぎは禁物。
- 授乳時間以外は冷蔵庫で冷やしたタオルなどを当てておくと効果的。
なお、症状が改善されない場合や乳房の全体が腫れ、皮膚が赤くなりとても痛い、38℃以上の発熱、悪寒、からだの震えなどがある場合は、「急性化膿性乳腺炎」が考えられるので、早めに受診しましょう。
子宮復古不全
子宮が元の状態に戻らないことをいいます。
いつまでも悪露に血が混じったり、血の塊が出るようなら早めに診察を受けましょう。
痔・脱肛
分娩のいきみで急性の痔になることは多いものです。下半身を冷やさないようにしましょう。
患部を清潔にして、軟膏などで治療します。また、便秘になると悪化しやすいので、繊維質の多い食事や水分をとるようにしましょう。
産褥熱

分娩時に産道にできた傷から細菌感染し発熱します。悪露のにおいが気になったり、熱が出たりしたときは医師に相談しましょう。
腎盂炎・膀胱炎
産後は抵抗力が落ちているため感染しやすい状態にあります。トイレを我慢しないよう、外陰部を清潔にしましょう。腰やわき腹が痛む、残尿感があるときは要注意です。
恥骨痛
妊娠中のカルシウム不足や、分娩で恥骨が押し上げられたことが原因で、恥骨に痛みが出ることがあります。安静にして次第に痛みが和らぐようなら心配はいりません。
妊娠高血圧症候群の後遺症
妊娠高血圧症候群になった方で、分娩後のその症状(高血圧・尿タンパク・むくみ)が出続ける場合があります。次回の妊娠でも発症が心配されますので、専門家の治療が必要です。
静脈血栓症
産後や帝王切開後は血液が凝固しやすく、下肢や静脈内に血栓(血の塊)ができやすくなります。血栓ができると血流が妨げられ、ひどい場合は死亡することもあります。高齢、肥満の方は要注意です。
産後は下肢マッサージや運動を心がけましょう。
産褥期は周りの助けが必要!
産褥期のママのからだは交通事故にあったのと同じようなダメージがあります。
そんな中で育児をしなくてはなりません。パパや周りの人のサポートがとても大事です。少しの声掛けや気遣いに救われる事がたくさんあります。
ママ自身も無理は禁物。
出来ないときは「出来ない」眠い時は「眠い」辛いときは「手伝って」など声に出してアピールしましょう!
一人で抱え込まず、周りに頼ることも大事です。無理をせずに、産褥期を乗り越えていきましょう。